| 化粧品 |
| 化粧品は複雑な化学薬品が組み合わされています。これらが、衣類に付着すると、素材や染料に意外な影響を与えることがあるのです。 |
■パーマ液
パーマ液の主成分は、1液が還元剤、2液が酸化剤。還元剤が綿や麻素材などに付くと、クリーニングの乾燥工程やプレスなどの加熱でより激しい変色が起きます。
(襟周りや背中側に発生しやすい) |
■香水
香水の主成分はアルコールです。アセテート製品の染色はアルコールによって溶け出してしまうことがあります。
(襟周り前側に発生しやすい) |
 |
 |
■除光液
マニキュアの除光液は、アセテート製品そのものを溶かしていまいます。
シミ状に硬くなっている部分があったり、ガムが付いているように見えることがあります。 |
■ヘアムース
ヘアムースの中には、毛髪を固める樹脂剤が含まれています。これが、生地に付着すると取れにくくなり、汚れが接着して黒い斑点になります。特にワイシャツの襟周りに発生することが多い。 |
|
| バッテリー液 |
たばこ |
| 自動車やバイク、ボートなどに使われているバッテリー液は、希硫酸という強酸。衣類に付着すると、穴をあけていまいます。ドライクリーニングでは落ちにくく、乾燥やプレスなどの過熱行程で、穴があいてしまうことも多いようです。濡れたようなシミ、また黄変して多少硬くなったシミは、揉んでみて、穴があけば強酸の影響です。 |
 |
|
| ポリエステル、ナイロンなどの低融点の素材に発生しやすいのがタバコなどの熱による損傷です。本人がタバコをすわなくともすれ違いざまに、歩きタバコの影響を受けることがあります。また、灰が落ちただけでも、穴があくことがあります。 |
 |
|
| 着用疲労 |
| もし、人間が裸で暮らしていたら、体中に擦り傷やひっかき傷が絶えないはずです。その代わりに、衣類がすり減ったり、ホツレたりしています。 |
■摩耗による穴あき
ワイシャツは、細番手高級ロード品ほどスレに弱く、襟周り、剣先、袖口、ヒジに注意。ジャケットは、肩、ヒジ、袖口。スラックスはポケット周り、内股など。洗濯工程で擦れて、繊維屑状になっていたり、弱っている部分がほつれたり破れることがあります。 |
■絹、麻、テンセル製品の白化
絹、麻、テンセル製品は繊維の構造からスレるとより細かい繊維に分裂してしまうという性質があります。特に濃色の製品は、クリーニングで油汚れが落ちると一層毛羽立って白っぽくなってしまいます。ヒジやポケット周り、ズボンなら大腿部分などにスジ状に発生することもあります。 |
 |
 |
■ネクタイの損傷
ネクタイのほとんどは絹製品で、スレに弱く、ついには柄が擦り切れたり穴があいたりします。ネクタイのスレは、絵柄を浮き立たせるタテ糸が最初に損傷します。また、剣先よりも上着のラペル(衿)と接触する部分に注意。
クリーニングで、擦れた繊維屑が脱落して穴があきます。 |
■毛玉(ピリング)の発生
カシミヤやラムウールなど、細かく柔らかい繊維製品は毛羽立ちやすく、スレると毛玉が発生しがちです。編物、織物に関わらず、獣毛繊維一般に毛羽立った後、毛玉が発生します。 |
 |
|
|
| 洗浄剤 |
虫食い |
| 次亜塩素や塩酸、硫酸などの薬品も、日常生活の中にあります。塩酸や硫酸などは、綿、麻、レーヨン、テンセル、アセテートなどの植物系繊維に穴をあけてしまいます。 |
■カビ取剤、台所用漂白剤
カビ取剤、台所用漂白剤、洗濯用塩素系漂白剤の主成分は、次亜塩素酸ナトリウムです。この薬剤は植物系繊維製品などの染色を退色させます。飛沫状の色抜けや斑点状の変色になることもあります。 |
■トイレ用洗浄剤
トイレ用洗剤には、強酸である塩酸が配合されているものがあります。塩酸が植物系の繊維に付着すると、繊維が酸化変色し、生地が溶けたり、穴があくほど弱くなってしまうことがあります。 |
 |
|
| 害虫が噛み荒らした繊維屑を洗い落とすと、目立たなかった穴も、クリーニング後、目立ちやすくなってしまいます。動物性タンパク質繊維は、繊維自体が養分となるため、汚れがついているいないに関わらず、室温15℃以上で、通気性が悪く湿度の高い状態で保管していると、害虫が好んで食べることになります。害虫は、カツオブシムシ、イガの幼虫やゴキブリも虫害を起こします。 |
 |
|
| 汚染ガス |
| 保管中に折り畳まれていた折り目に沿って、ガスの触れやすい部分にだけ変色が起きていることで、全体を広げたときに、帯状に変退色が起きていれば、ストーブや湯沸かし器などによる酸化窒素ガスや亜硫酸ガスが原因と考えられます。 |
 |
|
| 汗や日光による酸化 |
カビ |
| 汗や日光による退色は、植物系の繊維製品に起こりがちです。これは、染料が汗の影響を受けやすいことによります。汗のつきやすい衿周りや肩、背中、脇などを注意する必要があります。クリーニングに出す前は、くすんでいて見落としがちですが、クリーニングによって、変退色した部分が目立つようになります。衿や裏をちょっと裏返すだけで、日焼けしていない元の色と比較確認できます。 |
 |
|
| カビは、一定の湿度と温度によって繁殖します。特に、クリーニング後にポリ袋などに入れたまま保管したり、通気性が悪いと、湿気が停滞する状態になり、カビの繁殖を促すことになります。色々な色のカビがあり、一見すると黄色や青のシミのように見える場合があります。染料を分解し変色させるカビもあります。大切な衣類は定期的な虫干しなどの風乾をしましょう。 |
 |
|
| 蛍光増白剤の劣化 |
ウレタンの剥がれ |
| 白い衣類のほとんどは、蛍光増白剤というある種の染料で染められています。この蛍光増白剤は、長時間紫外線にさらされると黄色味をおびてくるという性質があります。特に絹製品は紫外線の影響を受けやすく、黄ばみやすい性質があるのです。紫外線の影響を受けにくい衿裏と比較してみましょう。 |
|
| ポリウレタン樹脂は、生地の表面に塗られ(コーティング)合皮革製品として主に使われています。ポリウレタン樹脂は、紫外線や水分によって分解(加水分解)するという性質があり、保管や手入れの状態にもよりますが、3年から5年で剥がれたりボロボロになったりします。クリーニング以前に、剥がれたりボロボロになっていなくても、既に経時劣化している場合、クリーニング作業工程によって、剥がれることもあります。襟周りやヒジなどの関節部分をよく見ましょう。泡状のふくれがあれば剥離が始まっている証拠です。 |
 |
|